“遅い通信がストレス”はもう古い?急速に改善するモバイル通信環境
Posted by 角谷 仁
モバイルインターネットの環境は急速に改善しています。モバイル通信速度や端末の処理性能を把握することは、スマートフォンサイト戦略の今後を占う一つの手立てとなるかと思います。
「モバイルでは、重いサイトの閲覧はストレスだ」という概念は、現在進行形で変化していると考えたほうがよさそうです。
通信速度は2~3倍:3GからLTEへ
LTEとは
3G回線より2倍~3倍の体感速度で通信できる3Gに次ぐ新しい通信方式です(詳細|IT media +Dモバイル)。この通信方式に対応したスマートフォン端末はこれから続々登場すると思われます。
docomo
2010年よりLTEのXi(クロッシィ)サービスを開始していて、2012年6月時点で契約数は300万を超えています。2012夏モデルのスマホも、多くがXi対応機種のようです。docomoの夏モデル紹介サイトでは「一度体験するともう元には戻れない快適さ」「外出先でも光回線並みの通信速度」と紹介されています。(詳細|NTT docomo)
NTTドコモ 報道発表資料 2012年6月8日
KDDI (au)
他社からは少しスタートが遅れていましたが、2013年3月時点で96%のエリアカバーを目標に、予定より前倒しで年内にサービスを開始予定。もともとは2015年3月末で96.5%を目指していたので、かなりの前倒しで進められる見込み。
Softbank
2012年秋以降にLTEサービスを開始する予定。対応端末も発表されます。(SoftBank 4Gはスマートフォン・タブレットの対応機種はなく、モバイルルーターのみ)
その他(EMOBILE LTE)
2012年3月にLTEサービスを開始。2012年6末段階で主要都市の人口99%をカバー予定
端末性能の向上:処理速度の現状
スマートフォンのベンチマークテストの結果をご紹介します。下の図のiPhoneの数値を見れば、スマートフォンがどれだけ性能向上してきているかがとてもわかりやすいと思います。※Rightware BrowserMarkはブラウザからjavasciptを実行させて、処理速度を測定し数値にしたベンチマークテストです。数字が大きいほど性能がよいことを意味しています。
TECHSPOT “Apple iPhone 4S benchmark results leaked”2011年10月11日
全く個人的なお話で恐縮ですが、先月Galaxy s(2010年10月発売)を壊してしまいiPhone 4Sに変えました。その処理速度の速さは衝撃的で、次元の違う快適さでした。Galaxy sは、かなり使い込んでいたので動作が遅くなっていたせいもあるかと思いますが、iPhone 4Sの体感速度は実際に3倍以上に感じました。(iPhoneは電話やメールなど気にせず常時WiFiに繋いでおけるのもいいですね)
まとめ
スマートフォンサイトを構築する際は、ページの容量やjavascriptの処理のスピードなどに気を配り、いかにしてサクサク動作するサイトにするかがとても重要です。モバイル環境が改善することで、コンバージョンまでの離脱を減らしたい、サイトを回遊させたい、という問題は少し解決しやすくなるかもしれません。また、レスポンシブウェブデザインの表示の重さなども近い将来は気にならなくなるかもしれませんね。
・高速通信はこの秋から2013年3月ごろを目途にインフラが整ってきます。価格がクリアされれば一気に普及することも考えられます。
・高速通信にふさわしい高速処理端末が登場してくるでしょう。