企業のスマートフォンサイトの”敵”とは

Posted by 服部 丈 

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多くの企業にとってスマートフォン対応は必須となっています。スマホ向けサイトを作るときに気をつけなければいけないポイントはどこか。それを考えるには、周辺の環境やスマホがユーザーにどのように使われているかを知る必要があります。24時間、常に手のひらでつながっているスマホでは、企業サイトにとってこれまでとはまったく違う“敵”が存在します。
 

 

置かれた環境

 

スマホの利用シーンはPCと違い、けしてスクリーンを閲覧するのに最適な環境とは言えません。夜寝る前のベッドや道ばたで歩きながらの利用。時には真っ暗な通りで画面を覗くユーザーも存在します。手のサイズが小さい女性にとっては、歩きながらの利用自体が苦痛になる場合もありますね。そんな状況で自社のコンテンツをじっくり見てもらうことができるでしょうか。
 
スマホでは自社のアピールしたい内容よりも、ユーザーが本当に必要としている情報やコンテンツに焦点を絞る必要があります。フォームの入力や通信時間など、PC上でサイトを見ている時には受け入れていた不便さも、スマホでは離脱の主要な原因になってしまうことも多々あります。使いづらさを考慮した上で、必要な情報だけを届ける事がユーザーの利益につながることになります。
 

多彩なエンターテインメント

 

スマホで利用できるのはブラウザだけではありません。むしろ多くのユーザーにとっては、用途が明確なアプリの方が親しみのあるケースが多いのではないでしょうか。こちらの調査を見てもスマートフォンの用途・利用シーンは非常に多様化していることがわかりますね。
近年「ソーシャルゲーム」と呼ばれる分野で莫大な利益を挙げる企業が増えています。実際にデータを見ても、スマホ利用におけるゲームの占める割合は非常に大きくなっています。
 
一般にスマホを利用するのは「スキマ時間」と言われます。待ち時間や電車に乗っているわずかな時間。何かに没頭するほどの長い間ではないけれども、持て余してしまう時間にゲームはうってつけの存在と言えます。ソーシャルゲーム側もカード対戦など、少しの時間を使った娯楽性を高めるためのPDCAを非常に短い期間にフル回転で回しています。そういった利用シーンに特化し、十分に娯楽性を考慮しながら発展してきたアプリと、ユーザーそれぞれが持っている限られた時間を奪い合わなければならないのです。
 

競合他社の存在

 

これまで述べたような難しい状況をクリアした上で、実際に同じ分野で競合している企業のスマホサイトと差別化を図らなければいけないのが現状です。とくにECや予約など売上に直結する機能をスマホサイトに持たせる場合は、これだけスマートフォンが普及している環境では死活問題にならざるを得ません。
 
少しでも離脱を防ぐために繰り返し検証し、形式にとらわれずにユーザーが達成したい目的へと最短距離で導くようなサイト設計、ボタンの大きさなどを考える必要があります。サイトを作るというよりは、スマートフォンを通してユーザーの体験を入り口から出口までデザインすると考えた方がしっくりくるのかもしれません。
 

まとめ

 
スマホでは、これまでとはまったく違うユーザー体験を築く必要があります。そのときに考えなければいけないのは、何を置いてもユーザー。目的を達成してもらい、満足感を高めてもらえるようなWeb戦略を構築する必要がありますね。

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