2012 スマートフォンはどうなるか

Posted by 服部 丈 

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今回は米国の調査会社comScoreが発表した「2012 MOBILE FUTURE IN FOCUS」というレポートに焦点を当てます。Webの世界では米国のトレンドが先行しており、海の向こうで流行ったものが日本へと上陸するケースが多々あります。アメリカの現状と近い将来の展望をチェックすることで、私たちの取るべき戦略・行動について考えていきます。

 

イギリスとスペインでは、携帯電話利用者の半数以上がスマホを利用

↑イギリスとスペインでは、携帯電話利用者の半数以上がスマホを利用

 

全世界でスマホ利用者が増加中

日本でもスマートフォンへと切り替えるユーザーが増えていますが、海外では日本以上の勢いでスマホの浸透が進んでいます。イギリスとスペインでは携帯電話利用者全体に占めるスマホユーザーの割合はすでに半数以上。占有率だけを見れば日本の先を走る”スマホ先進国”となっています。
スマホの利用は、PCの普及率が低い貧困層に顕著です。アジアやアフリカ地域の国々ではインターネット接続にスマホを利用するケースが多く、爆発的に利用者を増やしています(参考記事)。アメリカでもスマホの利用が加速している層は、収入が2万5000ドル以下、6人家族、仕事を退職した方など、出費を抑えたいユーザー層が目立ちます。

 

アメリカで飛躍的にスマホ利用が増えているユーザー層とは

↑アメリカで飛躍的にスマホ利用が増えているユーザー層とは

 

スマホ経由の商品購入が増える

2011年の終わりには5人に一人のスマホユーザーが製品のバーコードをスキャンするようになり、8人に一人のユーザーが店内で商品の価格を比較するためにスマホを使っています。
男女の間では利用の仕方にも違いがあります。女性は情報の共有がメインでSNS上で「どっちの靴が似合うと思う?」と問いかけたり、ショッピングの体験を投稿。一方で男性はあくまでも実用的にスマホを使用しており、製品に関する情報をリサーチするのが主な利用方法となっています。

 

こういった流れは伝統的な商品購入のプロセスを壊していくことになるでしょう。今までと違い、ユーザーは商品を購入する前に製品について徹底的に調べ上げ、製造者は競合他社とデザインから商品の価格まで比較検討されます。もちろんスマホからECサイトを利用して、直接商品を購入することもあります。店の営業時間だけでなく、ベッドで寝る前にスマートフォンをいじりながらショッピングをする顧客も出てくるでしょう。これまでの顧客接点やアプローチ方法、広告出稿など、あらゆる点において戦略を再考しなければなりません。

 

米国 消費行動におけるスマホ利用の傾向(男女別)

↑米国 消費行動におけるスマホ利用の傾向(男女別)

 

 

スマホとSNSは、より密接につながり合っていく

スマートフォンの普及で、SNSが生活に占める役割も増えています。Facebookのウォールでキャンペーンの知らせを受け取り、そのままクーポンを手に入れる。その情報を友だちとシェアするなど、日々の暮らしの隅々にまでSNSが浸透する手助けをスマホが実行しているのです。実際にアメリカやEU諸国ではSNSへのアクセスが2倍近くに膨れ上がっています。

 

スマホからSNSへアクセスするユーザー数

↑スマホからSNSへアクセスするユーザー数

 


いかがでしたか。スマホの登場によって生活が変わり、それに伴って企業の戦略も変わっていく。テクノロジーをうまく利用して、大きな波をとらえていきたいですね。

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