スマホとソーシャルメディアの登場で変わること

Posted by 服部 丈 

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いつの時代もテクノロジーの進化は、人間の暮らしをガラリと変えてきました。スマートフォンというデバイス、そしてソーシャルメディアという新しいプラットフォームが浸透する現在は、まさにその変化のまっただ中。そんな時代に、企業はどういうアプローチをすれば効果的なのか。

 

スマホ利用者の多くは、SNSも活用している

↑スマホ利用者の多くは、SNSも活用している

PCはwebの主役ではない?

スマートフォンが登場するまでは、webの利用はPCの独壇場でした。しかし、高い機能と快適なネット体験が実現できるスマホが登場すると状況は一変。もともと携帯電話の文化が浸透していた日本国内では、スマホへの移行が急ピッチで進みます。津山恵子・森直樹共著の「モバイルシフト」では、約63%のユーザーが携帯電話を利用してネットサーフィンするようになったとされています。Facebookはすでに半数がモバイル機器からの流入。Webの閲覧はスマホへと主戦場が変わってきています

 

そのような状況を踏まえると、モバイルファーストという考え方のように携帯端末からWebサイトが閲覧されることを念頭において、Web全体の戦略を考えなければなりません。PCを利用している時に必要とされる情報と、スマートフォンを利用している時に必要とされる情報。どこで、いつ、どんな時にサイトへ訪問するか。そういった利用シーンについても、しっかりと考える必要があります。表示画面の狭いスマートフォンでは「どの情報を表示するか」という部分をしっかりと考えなければなりません。

 

一方でスマートフォンの利用によって、インターネット全体の視聴時間は増えています。とくにソーシャルメディアに費やす時間は増加のスピードが衰えません。また電通の調べでは6割を超えるスマホユーザーが日常的に携帯電話を使ってオンライン動画を楽しむなど、ネット上でのユーザー行動にも変化が見られます。そういった流れをしっかりとつかむことも必要になりそうです。

 

 

「共有」という文化

インターネットの発達で情報の多くは捨てられる時代になりました。総務省の報告ではネットに存在する9割以上の情報は、ユーザーに届かないということです。そんな中、消費者の購買行動に大きな影響を与えるのは親しい友人・家族や、信頼できるレビュアーの口コミ。スマートフォンを利用して店舗に居ながらSNSにアクセスすれば、他店舗での販売価格や評判、そして友だちの意見まで、その場で手に入れることができます。その時に「サイトが重くてつながらない」「サイト設計が複雑で情報になかなかたどりつけない」ということになれば、ユーザーが離れていってしまうでしょう。

 

また、シェアされやすいコンテンツを作ることも重要度が増しています。スマホとSNSのおかげで友人同士で情報を共有するハードルが下がりました。そのため、バイラルに情報が拡散する可能性も広がっています。それを利用して「面白くて、教えたくなる情報」「本当にお得なキャンペーン情報」が、共有される仕組みや導線を作ることがWeb戦略全体のカギを握ります。そのために必要となるのがゲーミフィケーションやO2Oといったキーワードになってきます。

 

スマホとソーシャルの登場で、友人とのコミュニケーションはより気軽になった

↑スマホとソーシャルの登場で、友人とのコミュニケーションはより気軽になった

 

オンラインとオフラインの融合

スマホとソーシャルの登場で、現実世界とバーチャルの世界は、より密接につながるようになっています。たとえばイベント会場の盛り上がりをスマホを利用してSNSへ投稿し、その投稿を見たユーザーがファンとなって企業へエンゲージしていく。これまでとは違う新しい形で、企業とユーザーがつながることも可能です。従来はネットで強みを発揮することができなかった店舗型の企業も、オンラインでの活動を始めるきっかけになるのではないでしょうか。

 

この進化は、互いに補完し合いながら続いていきます。両者ともに、企業にとっては開拓しなければならない市場になることは間違いありませんね。

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