どう決める?レスポンシブWebデザイン or 専用サイト
Posted by 角谷 仁
レスポンシブWebデザインにすべきか、専用サイトにすべきか。マルチデバイスの対応方法に頭を悩ませている企業担当者様はとても多いかと思います。結論から言うと、クライアントと制作会社は両者歩み寄り、相談して決めていくのが良いと考えています。クライアントは制作のことを理解し、制作会社はクライアントのことを理解した上で初めて議論ができると感じています。
今回は、マルチデバイス対応が必要な場合に、どのようにして方向決めをしていくのが良いかを書いてみました。
1.制作会社がクライアントのことを理解する。
ヒアリングシート。制作会社側がクライアントのビジネス・サイトを理解するために使うことがあります。
制作会社がWebのプロといえど、クライアントのビジネスゴール、ターゲットユーザーのこと、サイトの位置づけ、運用の現状などはサイトを見ただけで全て理解することはできません。ここを抜きにしてマルチデバイスの対応方法は検討できないので、当たり前ですが、クライアントから教えてもらわなければなりません。
■ビジネスのことを理解する
基本的なことですが、手法に捉われ過ぎて時々忘れられるのが、プロジェクトの本来の目的の共有です。マルチデバイス対応が必要だからといって、焦って「手法」から話を始めてしまうと、本来のプロジェクトで達成すべき目的と戦略がぶれてしまう可能性があります。基本的なことですが、そのプロジェクトのビジネス上の使命、背景、競合、市場のセグメント、ターゲット層、4p + 7p、インサイト、目的と戦略など、プロジェクトの目指すところが制作会社とクライアントで共有されていることが重要です。
■サイトのことを理解する
専用サイトもレスポンシブも、どちらもメリット・デメリットがあり、それぞれ制約事項があります。制作会社はクライアントのサイトを理解し、プロジェクトの目的を達成するためにはどちらがいいか、技術的な制約事項に基づいて意見をしていくことが求められると思っています。
▼相談しないといけない項目例です。
・テキスト/写真/動画を中心としたシンプルなデザインの可否
・表組み/図の取り扱い
・URLの一本化について(ソーシャルメディア対策、SEO対策など)
・モバイル端末からの現状のアクセス状況と今後の見通し
・IE7以下対応の重要性
・ガラケー対応の必要性
・既存システムの利用について(コンテンツをどう用意するか)
・誰が運用するか、運用する人のスキルはどうか、何社で運用するか(技術力)
・予算
■ユーザーのコンテキストを理解する
モバイルユーザーを扱う以上、コンテキスト(利用シーン)の検討は絶対に外せません。制作会社が考えても想像に及ばない部分もあるので、これはクライアントに教えて頂く(または一緒に考える)ことが望ましいと思います。ユーザーの利用シーンとサイトで達成したい目的別に、ビジネス上の優先順位を付けて整理します。
2.クライアントが制作を理解する。
クライアント様向け資料。レスポンシブWebデザイン制作の基本的なことを理解して頂くようにしています。
専用サイト/レスポンシブWebデザインのメリット・デメリットも重要ですが、どちらを選ぶかは非常に繊細な問題と感じています。正しい判断をするためには、それぞれの制作に関する基本的なことは理解して頂く必要があるというのが最近の印象です。
例えば、下記のようなことはある程度理解して頂きたいところです。
・「モバイルファースト」(理想論ではないです)
・制作時の注意点(サイト構成、テンプレート、各ページ、検証など)
・ワークフロー(ウォーターフォール / アジャイル)
・実際世の中ではどのような状況か(他社事例・海外事例)
特に「モバイルファースト」を理解しないまま、レスポンシブWebデザインを選ぶと失敗する可能性があります。プロジェクトが大変になるだけじゃなく、サイトの運用のしにくさや使いにくさにつながりますので注意が必要です。
まとめ
専用サイト・レスポンシブ、どちらで行くかを検討するのは本当に難しいです。よく相談した上で決めるのが望ましいと思います。