PCとは違う?スマートフォン向けサイトの制作する時に真っ先に考えたい3つのポイント。

Posted by 鷲野 貴行 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スマートフォンサイト構築のプロジェクトをしていると、デザインやコーディングに入る前の下準備や開始時点で考えるべきこと、やっておくべきことがとても重要だなと感じます。

 

サイトのコンセプトやコンテンツの整理、ワイヤーフレームによる仕様策定といった部分は、プロジェクトを円滑に進める上で非常に重要です。また、公開後の運用や改善にも影響してくるでしょう。そんなわけで今回は、『プロジェクトがスタートした時、まず初めにどんなことを決めておくべきか、何を考えるべきか』についてまとめていきたいと思います。

 

-------------------------

1、ターゲットと目的を決める

これはスマートフォンに限らず、PCでも同じですが、利用するユーザーやメインターゲットを決めておくことはとても重要です。人に利用されないWebサイト、読まれないサイトほどもったいないものはありません。プロジェクトの開始時点で『とりあえずPC版サイトをスマートフォンでも見やすいように作って・・・』(昔よく聞いた、「とりあえず競合や他社がWebサイトを持っているから、うちも作ろう」といった)という状態でスタートすると、後々苦労する場面が必ず出てきます。

 

例えば、プロジェクトが始まると、決断を求められる場面が度々出てきます。サイトの方針や掲載するコンテンツ、ページ構成、デザインetc・・・そんな時、“このサイトのユーザーはこういう人”が明確になっていて、発注者側・制作者側の双方で共通のイメージが共有できていれば、デザインや仕様で迷った時、「ユーザーはこうだから、ここは◯◯にしよう」と判断がしやすくなるはずです。

 

目的に関しても同様です。目標やゴール、解決すべき課題などが明確になっていれば、発注者側・制作者側のコミュニケーションはスムーズになります。また、プロジェクト後半になってからの大幅な修正や仕様変更等も起きづらくなり、スケジュールの遅れを最小限におさえることができます。

 

-------------------------

2、スマートフォンサイトに載せるコンテンツやページの構成を決める

PC版がすでにある場合、コンテンツをPC版から洗い出し、それをベースにスマートフォンサイトのコンテンツを決めていくケースが多いと思います。その時に注意したいのが『このコンテンツはユーザーがスマートフォンで本当に利用するのか』という視点です。例えば、飲食店のスマートフォンサイトを作る場合、メニューやアクセスはお店を選ぶ時や実際にお店へ行く際に極めて重要なコンテンツとなります。逆に会社概要ページはスマートフォンで読まれる可能性が非常に低いといえるでしょう。

 

(時と場合によりますが、ターゲットが一般消費者であるならば、会社の代表名や売上、設立年月日は読まれる可能性が極めて低いはずです)

 

加えてPC版があるなら、そこで得た解析結果(PV数など)をベースにしていくのも一つの手です。もちろん、PC版の数字が全てではありません。しかし、データから「スマートフォンサイトならきっとこのコンテンツが重要だ」と仮説を立てて作っていくのは決して間違いではありません。むしろ、公開後のPDCAサイクルを回す上でとても重要です。毎日コツコツとデータを収集し、それを基に改修をしながら育てていけばいいのです。
(PC版などがなく、新規でサイトを立ち上げる場合はまた違ってきます。ここでは話が長くなってしまうので、割愛します)

 

-------------------------
3、サイトの導線やUIを設計していく

ユーザーやコンセプト、コンテンツが決まったら、次に考えなければいけないのがサイト内の導線やインターフェースです。

 

通信環境やスマートフォンの性能はPCのそれにはまだまだ及びません。そのため、ページの構成や目的のページに辿り着くまでの導線もPCと全く同じにせず、スマートフォン用に新たに考える必要があります。

 

例えば、ショッピングサイトの場合、商品の詳細ページへ誘導することは極めて重要です。その際、仮に詳細ページまでPC版なら間に3ページ挟まないと辿りつけない仕様になっているとします。しかし、スマートフォンで同様の導線にしてしまうと、通信環境やページの容量によっては、目的のページになかなか辿りつけず、ユーザーにストレスをかけさせてしまうでしょう。

 

スマートフォンなら、その3ステップを2ステップ、あるいは1ステップにできないか、極力遷移をしなくても目的のページに辿り着けるようにできないかを考えるべきです。同様に他のコンテンツへの移動手段(メニューなど)やTOPページへの導線、直前にいたページへの「戻る」ボタンなどもきちんと考えておけば、そのサイトのユーザビリティは向上するはずです。

 

UIに関しても気を遣う必要があります。スマートフォンの場合、“画面の大きさ”と”指による操作のしやすさ”は設計段階から意識したいポイントです。加えて、ユーザのリテラシーや操作への慣れもUIを考える上で重要な要素となります。メインターゲットがスマートフォンの操作に慣れているかそうでないかによって、先進的なUIを取り入れるかどうかも異なってきます。UIや導線の部分で判断をする際、「本当に使いやすいと感じるか?」「さらに使いやすくできないだろうか?」という視点が極めて重要になるでしょう。

 

 

---------------------------------

最後に
スマートフォンではPCサイトに比べて閲覧環境や利用シーンが全く異なるため、上記で挙げた要素が大切になってきます。

 

モノを売ったり、企業のイメージやブランドを形成する上で、Webサイトが「見やすくて使いやすい、キレイ」であることは不可欠です。加えて閲覧するデバイスや環境に合わせたWebサイトの最適化も比重が高まっています。だからこそ上記で述べたようなことを、プロジェクトの開始時には最低限決めておきたいものです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加