“モバイルマーケティング成功の3つの原則” 海外レポートの紹介

Posted by 角谷 仁 

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今回は技術・市場調査を得意とするアナリストファーム Forrester Rsearchが2012年に発表したレポート”Mobile Marketing: Three Principle For Success”について内容を簡単に紹介したいと思います。内容は主にマーケター向けのものです。元の英文レポートはこちらより入手可能です。

http://research.itpro.co.uk/content19320

 

 

モバイルマーケターは、自分がどのフェーズにいるかを知り、戦略を展開しなければならない

このレポートでは、「未だモバイルに割かれる予算は得られる機会に比べて小さい」とし、「ほとんどのマーケターがモバイルチャネルの利点を完全に享受できていない。大半はまだ実験的に実施をしていたり、既存のクリエイティブを再利用したりしている」と述べた上で、モバイルマーケティングの展開を5つのフェーズに分けています。マーケターはそれぞれのどのフェーズにいるかを知ることから始め、そこから次のステップへ段階的に進んでいくことを推奨しています。

 

以下はそれを示した図です。

(※原文に私の翻訳を添えています。FORRESTER RESEARCH, inc. 2012)

そして、このそれぞれのフェーズでは、モバイルエクスペリエンスにおける以下3つの原則に従ってアプローチすることが必要と述べられています。※それぞれのフェーズにおける原則の適用について、原文レポートでは事例つきで説明がありますので、よければそちらもご参照ください。

 

 

モバイルエクスペリエンスの3つの柱“Immediacy(即時性)”“Simplicity(簡易性)”“Context(状況)”

 

原則その1の“Immediacy(即時性)”とは「その場ですぐ利用可能なコンテンツの提供」のことです。「インタラクティブマーケターはユーザーの時系列的な行動様式に合わせて、願望的行動を後押しし、その瞬間においてより深くエンゲージメントすることが可能」としています。

 

原則その2の”Simplicity(簡易性)”とは、「モバイルフォン上で見やすく使いやすい情報の提供」のことを指しています。シンプルにすることでゴールまでのステップ数を減らすことができるということです。そのために、カメラ機能を使ったり、サイトではモバイルに最適化したナビゲーションを作ったりすることを推奨しています。

 

原則その3の“Context(状況)”とは「モバイルの行動様式や位置情報に基づいた適切なメッセージの提供」のことを指しています。例えばアクセス解析で地域関連クエリや、チェックインなどの機能のデータからユーザーのコンテキストを知り、メッセージやチャネルの最適化を行えるということを説明しています。

 

 

これらの原則は、モバイルファーストとほぼ共通しており、やはりモバイルを考える上では普遍的なものであると言えそうです。このレポートは最初にも少し書いた通り、ウェブ制作者向けというよりはマーケター向けの内容で、サイトやアプリ単体の話ではなくチャネル戦略の話を含んで書かれています。普段サイトやアプリを考えることが多いので、こちらのレポートはとても興味深く読むことができました。事例も載っているのでマーケターの方には特に参考になる内容かと思います。

 

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