LINEに学ぶ企業のスマホ戦略

Posted by 服部 丈 

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いま、最も勢いのあるWebサービスである「LINE」。その成功からはスマホを利用してビジネスを活性化させるヒントを多く得ることができます。今回はいくつかのポイントに絞って、企業のスマホ戦略へのヒントを考えていこうと思います。
 

 

スマホ”だけ”を考える

LINEといえばスマホに最適化されたサービスとして知られています。ユーザビリティやインタフェースなど、スマートフォンで利用されることを前提として設計。多くの企業がPCで成功体験を捨てきれずにいた状況で、完全にシフトしたことが功を奏しました。
 
また、スマートフォンの機能をフルに利用している事もポイントです。従来のPCでは閲覧時間帯や場所が限られていましたが、スマホではその前提が崩れます。プッシュ通知で常時ユーザーに情報を伝えることが可能となり、ユーザーは室内だけでなく、どこでもクーポンや近くの店の情報などを受け取ることが可能。時間(例:帰宅の時間)、タイミング(例:天候の悪化)などに合わせて、必要な情報を提供することでユーザーのニーズを満たすことに成功しています。
 
こういった「リアルタイム」での接触を生かすことが、スマホでは求められています。
 

ビジュアルの有効利用

PCに比べてスマホのスクリーンは小さく、操作性についても制限がかかる点は否めません。そういった状況を踏まえると、LINEのスタンプのように「直感的」で「ボタン一つ」で投稿が成立する点は、情報を伝える意味では非常に有効です。
スマートフォン上では「すぐにわかる」ということが、より重要になってきます。
 
これはサイトやアプリの画面構成でも同じ事が言えます。日光を浴びながら、そして歩きながらといった視認性に負担がかかる環境での画面閲覧は、それだけでストレスを感じます。そこで画面遷移や操作が障壁となってしまえば、ユーザーの離脱を招いても仕方がありません。PCと比べても、よりユーザビリティに重点を置かなければならないことを意識しなければなりません。
 

コンテンツorコミュニケーション?

先日、Social Media Week Tokyoに登壇したNHN Japanの田端氏は「そもそもコンテンツよりも、それをきっかけにしてコミュニケーションを取ることが楽しいのでは」と言及していました。スマホを通じて顧客と関係性を築く上で、この「コミュニケーション>コンテンツ」という構図を忘れてはいけません。
 
企業が消費者へ提供するスタンプはコンテンツでもありますが、友人同士の会話という「コミュニケーションの中」で利用されるからこそ効果を発揮します。企業の宣伝の色合いを強めてしまえば利用の頻度そのものが減ってしまい、元も子もありません。いかに利用者に寄り添う形でコンテンツを提供し、コミュニケーションの中で消費してもらうか。ただの宣伝の道具としてではなく「本当にユーザーに利用されるものか」という観点はスマートフォンという制約の伴うデバイスを考える上では、必要になります。
 

最後に

LINEの成功の要因はなんといってもスマートフォンへの「集中」。業種やサービス内容によって変わるとは思いますが、やはり「集中」というのがキーワード。そこを基点にどれだけ考え、どれだけ細部を詰めるかが鍵を握るのではないでしょうか。

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