7th mass media―新しいマスメディアであるモバイルを、どう捉えたらよいか。

Posted by 角谷 仁 

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今回は、モバイルファーストをより深く理解するために知っておきたい”7th mass media channel”についてご紹介したいと思います。海外ではモバイルを“7つめのマスメディア”として論じています。これは、マスメディアの普及の歴史を振り返り、新しいメディアであるモバイルとどう向き合うべきかを論じているものです。(なお、この記事はモバイルファースト提唱者Luke Wroblewski氏のAN EVENT APART2012のプレゼンテーションを参考にして書いています。”Mobile to the Future”)

 

Luke Wroblewski | Mobile to the future from IxDA Oslo on Vimeo.

 

 

マスメディアの歴史

まず、過去のマスメディアの登場を振り返ってみます。

1500年代には本やパンフレットといった印刷物が初めてのマスメディアとして登場します。そして、1890年代には録音(テープ、レコード)のメディアが生まれ、1900年代には映画が登場します。1910年代にはラジオが普及し、1950年代にはテレビ、1990年代にはインターネットが登場します。そして2000年代に入り、モバイルデバイスが7つめのマスメディアとして現在も爆発的な普及を見せています。

 

2012年の時点での話ですが、Luke Wroblewski氏の資料によると、一日に売れるiPhoneの数は378,000台、一日に一日にアクティベイトされるAndroidの数は1,300,000台だそうです。一方、一日に生まれる子供の数は371,000人。スマートフォンは子供が生まれる数よりも多く、生産されているわけです。

 

 

新しいメディアが登場しても、過去のノウハウを踏襲する時期がある

前述のように、時代とともに新しいマスメディアが登場してきたわけですが、私たちはメディアが登場するたびに、その扱い方を理解せず、過去の経験から定義するということをしてきたようです。つまり、メディアの特長や可能性をよく理解しようとせず、まずは過去のやり方を踏襲するのです。

 

例えば、テレビが登場したとき、初めての番組はラジオのパーソナリティが原稿を読む姿を映すというものだった、とLukeは紹介しています。

 

このような過去を知り、私たちはスマートフォンとしっかり向き合う必要があります。決してスマートフォンをPCやその他のメディアと同様に扱うのではなく、その特長や可能性を十分に理解することが必要なのです。

 

そこでモバイルファーストの概念とつながります。つまりそのConstraints(制約)とCapabilities(機能性)を理解することが大事ということです。

 

モバイルファーストのConstraintsやCapabilitiesについては過去の記事で少しだけ触れています。よければご一読ください(こちらです)。今後はモバイルの制約に関する話、機能性に関する話も具体的な事例として取り上げていきたいと思います。

 

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